皆さんは人生を根底から変える出逢いを経験した事があるでしょうか?

そのときの出逢いが 人生を根底から 変えることがある よき出逢いを

相田みつを

有名な詩ですが、人生には本当にそんな素晴らしい出逢いってありますよね。

僕は空手との出逢いがそれでした。人生が180度変わったと思います。

空手そのものとの出逢いも本当に素晴らしいものでしたが、さらに、もし空手をやっていなかったら、出逢っていない人が沢山いるんですよね。その人に出逢っていなかったら、今の自分はいないという人が沢山います。

そして、空手をやっていなかったら、やってなかっただろうなという事も沢山あります。

ボクシングもキックボクシングもやってないんじゃないかと思う。あ、ボクシングはもともと「あしたのジョー」や「がんばれ元気」が好きやったから、もしかしたらやってたかもしれない・・・。でもキックボクシングはやってないと思うし、何より東京には行っていないはず。

ブラジリアン柔術も柔道もやってないだろうし、合気道もやってないと思う。それらは全部、空手のためにやったから。あまりにも才能がない事に気付き、その自分が少しでも何か気付くためのキッカケが欲しかったから。あくまで空手を補うために始めたから、空手をやってその魅力に取り付かれなかったらやっていないと思う。

そして、ボクシングやキック、合気道などで出逢った沢山の人達の中にも、やっぱり今の自分を作る上で大切な出逢いが沢山ありました。

その空手との出逢いに大きな役割を果たしてくれたのが、劇画「空手バカ一代」。これが無かったら、今の自分はないと思うと、本当に感謝しかありません。

梶原一騎先生は「あしたのジョー」や他の武道・格闘技漫画でもお世話になりました。つのだじろう先生の絵柄も好きで、どちらかというと後半の影丸嬢也先生よりもつのだ先生派です。つのだ先生の心霊漫画(「うしろの百太郎」等)も好きで、こちらにも影響を受けましたね(笑)

正確にいうと、空手バカ一代のプロトタイプとも言われる「虹を呼ぶ拳」という漫画を最初は読んだのですが、これは全く同じコンビが作者で、題材も同じく極真空手がモデルとなっています。体力的なコンプレックスの塊である軟弱な少年「春日牧彦」が主人公で、空手を学び心身を磨いていく物語。英雄である大山倍達先生の生涯を描いた空手バカ一代とはずいぶん違う内容です。

空手バカ一代の方は、もう言うまでもない超有名作品ですが、子供の時にはこの有名なフレーズ、

「これは 事実談であり・・・ この男は実在する!」

この言葉に魂が奮え、多少の脚色はあるかもしれないけど、基本的には事実を描いているのだ、と信じ込んで夢中で読んでいました。空手を始めた後に、道場の先輩から「相当脚色されてるし、ウソもいっぱい書いてある」と容赦の無い事実を突きつけられてショックを受けましたが、信じ込んでいたお蔭で、春日牧彦の様な貧弱な少年だった僕も諦めず頑張れました。 あ、でも十代の頃に諦めずに頑張れたのは似た様な境遇だったので「虹を呼ぶ拳」の力の方が強かったかもしれませんね。

空手バカ一代の最初の方には、この言葉が書いてあります。

【人生を変えるただ一冊の書物】

人生には その人の一生を左右する様々な巡り合いがある。 師・友人・恋人・敵・・・ しかし、ただ一冊の書物が しばしばそれにも勝る決定的な影響をもたらす場合がある。

ゲーテ

相田みつをさんの詩も、このゲーテの言葉も、出逢いの大切さを伝えてくれています。

人は皆、出逢っている。

でもそれに気付かない人が多いのだと思います。様々な情報が溢れる社会に生きていて、その情報量に振り回されてしまい本当にかけがえのない出逢いに気付けない。

でも、それはものすごく勿体無い事じゃないかなと思います。何か、自分を変えたいとか、キッカケが欲しいという想いがあったら、この春から新しい何かを始めてみるといいと思います。

それが何であってもいいと思うのです。損得抜きで、本当に自分が好きな事でありさえすれば。

何かを始めれば、そこでまた新たな出逢いがある。人や出来事や様々な出逢いが。それがまた次の出逢いへと自分を導いてくれる。人生ってそうやって、目には見えない大いなる力に導かれていくものなのだと思います。

その時に邪魔をするのが、「そんな事をやって何の得になるんだ」という現代人が陥りがちな合理的思考ですが、これが自分の魂を磨く時には一番足を引っ張るもの。仕事や現実的な事を考える時には確かに必要な思考法だと思いますが、自分を鍛える、磨く時にはこれは必要ないどころか、邪魔になる。

損得抜きに好きな事を頑張る、それを通して真の自分に出逢うための旅に出る。そしてそのたびの途中で、様々なかけがえのない出逢いを果たしていく。

それは人生で一番素敵な事なんじゃないかなあと思うのです。 まさに、冒頭で紹介したこの詩の通りですよね。

そのときの出逢いが 人生を根底から 変えることがある よき出逢いを

投稿者プロフィール

岡本
岡本マーシャルアーツアカデミー代表・空手クラス担当
東京の大手フルコンタクト空手の道場で長年修行。
空手修行の一環としてボクシングやキックボクシングも学び、プロライセンス取得・試合も経験。
道場での指導の傍ら、ボクシングトレーナー、フィジカルトレーナーとしても活動しています。
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