京都伏見の30歳以上限定の空手・柔術の武道道場

昇級・昇段について、当道場の考え方

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白い道衣に黒帯を締める。 欧米化された現代の日本でも、そんな姿に憧れを持っている方は少なくないと思います。

そんな想いに少し水を差すようですが、当道場、マーシャルアーツアカデミーのシステムでは、黒帯の発行をしておりません。

黒帯を目指せない訳ではありませんが、基本的には赤帯(一般的なフルコンタクト空手でいう緑帯)を最高級位とし、その先に進みたい方は個人指導という形で修行を積んでいただくことにしています。

最高級位は赤帯です

どうしてそんな段級位制を採用しているのか。以下にその理由を書いていきますので、じっくりとお読みいただければと思います。

多くの方に「修了」まで到達していただきたい

当道場では、「30歳以上の方の挑戦を応援する」というコンセプトのもと、道場生の方が普段通りの社会生活を送りながら、楽しく活動していける場を目指しています。

それゆえに、一般的な道場でいう「昇段」「黒帯」という基準に到達するのは難しいだろうと考えています。黒帯というからにはやはり、それなりにハードな稽古が必要になりますし、普段のクラスでは(あまり)やらない伝統的な型なども修得していただかなければなりません。

もちろん「昇段・黒帯の基準を引き下げる」というのも一つの案です。一般的なフルコンタクト系空手の審査では、「柔軟性・基本稽古・移動稽古・ミット・体力テスト・組手(スパーリング)」といった課題が設定してあり、黒帯になるには「十人組手( 休みなく十人と連続して闘う)」を完遂しなければなりませんが、その基準を引き下げるという案です。

しかし、当道場ではこれはあり得ません。そんな甘い基準で取った黒帯に対し、その人は価値を感じないと思うからです。「自分はフルコンタクト空手の黒帯なんだ」という誇りを持てないと思うのです。昇段の基準をむやみに引き下げるのは、道場生の方の「帯を締める誇り」を奪うことにもつながりかねないと考えています。

また、他の道場で修行され、年齢を理由に諦めずハードな審査基準をクリアして黒帯を手にした方々に対して失礼だとも思います。極真空手から始まった実戦空手・フルコンタクト空手の歴史や伝統に対する冒涜となるのでは?とさえ思ってしまうのです。

以上の理由から、当道場では、まずは一般的なフルコンタクト空手における「中の上級者」の基準にまで達してもらい、そこで一旦「修了(「終了」ではありません)」とし、マーシャルアーツ・アカデミーの発行する中では一番上の「赤帯」を締めてもらう。

ここで納得された方は、この後は楽しく稽古を続けていただければと考えています。

どの道場でも中の上級者(緑帯)が挫折している現実

こんな段級位制を敷く理由は、大体どこの道場でも緑帯辺りで離れてしまう方が多いのをずっと見てきたからです。

緑帯にもなれば、空手は一通り身についています。普通に上手くて強いです。その上の帯である茶帯よりも上手い人も中にはいます。

それゆえに、学業や仕事が大変になってくると、「まあ、ちゃんと空手をやったと言えるレベルにはなったし、この位でもいいか。この先さらに上を目指すのはしんどいな…」という思考回路になりがちなのです。

そうして途中退場してしまうなら、そこで一旦「修了証」をお渡し、気落ちのキリをつけさせてあげればいいのではないか?と考えました。「学校や仕事で大変な中、ここまで頑張りましたね」。そう労って差しあげたいのが本音です。

それでも黒帯を目指したいという方へ

厳しい道ではあるけれど、「もう少しこの上の道を頑張って登って行こう」という方には、一般クラス以外に個人指導を受けていただき、黒帯への道のりを登ってもらえると嬉しい、と考えています。

まだ始めたばかりの道場ということもあり、現在、そこまで到達した方はいらっしゃいませんが、年齢や体力を考慮していきたいと思います。30代前半なら、一般的なフルコンタクト系空手の昇段審査である「十人組手」も可能だと思いますが、30代後半以降だと七~八人組手くらい、40代以降であれば五人組手でも十分ではないか?と考えています。

ここで大事なのは、受審者の「気持ち」「納得感」なのだと思うのです。黒帯そのものには何の価値もありません。武道具屋さんに行けば誰でも購入することができる「モノ」です。

その「モノ」にどれだけの価値を込められるかは、その人の努力の量や「空手に対する思い入れの深さ」にかかっているのです。ボクシングのチャンピオンベルトだって同じでしょう。業者に発注すれば、誰でもあのゴージャスなベルトを腰に巻けるのです。コスプレがしたいなら話は別ですが、あなたが求めているのはそんなところじゃないですよね。

空手の帯も同じで、 ただの物質にしかすぎないものに魂を吹き込むのは、あなた自身の努力であり、想いだと思います。他人に対してではなく、自分自身に胸を張れるような課題を課してください。

具体的にどんな審査内容になるかは、受審者ともよく話し合って決めたいと考えています。その結果、何人組手になるかはわかりません。30代の人と60代の人とでは課題は違うでしょうから、そこはご自身が「本当に胸を張れる、誇りに思える」基準を一緒に考えていきましょう。

結局のところ人生は、「自分自身が納得できるかどうか」なのだと思います。 その「納得」をどこに設定するのか? それは各々が自分自身をどの程度の人間であると考えているかという「自分への評価」であると同時に、「自分という人間への期待感」でもあるのだと思います。

さいごに

空手が強くたって、社会生活で役に立つことはほとんどありません。正当防衛以外で使ったら単なる暴力です。

大切なことは、その道を登る過程で「自分の弱さに克つ」こと、他人からの評価によっていちいち左右されない「自信を得る」ことです。そして、それらを含んだ上で複雑な現代社会において「自分自身をコントロールする力」を身につけてほしいと思います。

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