代表の岡本です。

人間の創造性を伸ばす、脳の最大限の能力を引き出すには、子供の頃にどういう刺激を与えるといいのだろう?
あるいは、大人になってからでも出来る方法はあるのか?

そういう事にとても関心があります。

ソニー創業者、井深大さんは、著書「幼稚園では遅すぎる」でこんな事を言っておられます。

日本に古くからある素朴なおもちゃの価値を、再認識しなければならない。その一例が、粘土や折り紙や切り紙です。 

これらのおもちゃの共通点は、一口で言って、そのままでは何の具体的な形も意味も持たない、単なる素材に過ぎないという事です。 ということは、逆に手の加え方次第で如何様な形にもなります。 この点が、急速に脳が開発されつつある幼児にとって、成長の度合いや段階を超越して、非常に優れたおもちゃとなり得る所以なのです。

完成されたオモチャを与えるのではなく、素材を与える。それによって創造性を伸ばす。
それこそが本当の意味でのオモチャなのだ、と考えておられるんでしょうね。

幼い子供に、粘土や乎路が身を与えると、彼らは何を作ろうとするわけでもなく、何となくいじって遊びます。しかし、彼らが意図するとしないとに関わらず、粘土や折り紙はそれなりの変形をして、全く違った形を幼児の前にあらわします。

これは幼児にとって新鮮な驚きであると同時に、非常に貴重な体験です。

変化する様子を見る、という事が脳にとって物凄く意味があるという事でしょうね。
確かに完成品は、最初から大人による意図や意味が含まれていますもんね。

ごく最初の頃は、このようにものが変形されること自体、そして粘土や紙が手に触れる感触自体に、興味を覚えて、幼児は「作業」を繰り返します。そして、自分の手の動きと、粘土や紙の変形ということの相関関係を、直観的に学び取っていくのです。

自分の手と物の変形との相関関係。
何か理系の人の表現やわ~と文系(体育会系でもあるかな?)の僕には感じられますが、非常になるほど~と思わされる表現です。

これって、人形関係というか、社会、人と人との関係にも言えるところですよね。
武道をずっとやってる人間にとっては、まさに空手の組手や柔道の乱取りと同じって気もします😃

これから指導の際に、ちょっと気どって小難しく相関関係とか言ってみようかな?と思いました(笑)

早くから粘土などを与えられた子と、そうでない子では、明らかに作るものの程度が違います。

これは単に慣れとか好き嫌いの問題ではなく、粘土や折り紙によって開発された、幼児の頭脳の程度の差、創造性の違いの如実なあらわれという事が出来るのです。

同時に、手先の器用さや、物事を表現する力なども養われていくのです。

素材によって、脳の開発のされ方が違ってくる。勉強なら教材、スポーツなら道具が重要というのは誰もが気付けるところですが、さらにずっとずっと前の段階。

脳幹とかも含めた、脳の土台の部分の開発が重要であり、その際には完成されたモノを与えるのは良くないという事ですよね。

大人の小賢しい知恵がかえって子供の可能性を奪い、成長を妨げる事がある。

井深さん、晩年はソニー社内でも神懸ったとか陰口叩かれてたとか聞きますが、今こうして読んでも凄いと思う。
このうちの少しでも、学校教育に取り入れられていたら、日本の現状は変わってたんじゃないかと思います。

子供の頃の成長には敵わないでしょうけど、大人になってからでも意識的にこうした脳へのトレーニングをする事によって、自分の可能性を引き上げる事は可能だと思います。

自分の指導法に活かしていきたいな、と思います。

投稿者プロフィール

岡本
岡本マーシャルアーツアカデミー代表・空手クラス担当
東京の大手フルコンタクト空手の道場で長年修行。
空手修行の一環としてボクシングやキックボクシングも学び、プロライセンス取得・試合も経験。
道場での指導の傍ら、ボクシングトレーナー、フィジカルトレーナーとしても活動しています。
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