対人関係に悩む、あるいは悩むほどではなくとも、色々考えてしまう人が最近は凄く多いですよね。勿論、昔からある悩みだし誰もが持つ悩みなんでしょうけど、現代はそれが極端に増えてきているように感じます。

よく人から相談されたりするので、アドバイスした後に気になって昔読んだ本を読み返したりするのですが、今日もそんな事があったのでちょっと目についた部分を書き出してみます。

「友達幻想」(菅野仁著)より抜粋 (この本、ほんまにええ本やなあと思いますね~)

〈二種類の人とのつながり〉

人の繋がりには、大きくいって二つの種類が考えられる。

①一つは人と繋がる、つまり人間関係を作る事によって、自分にとっての利得や利益といったものを得ようとする場合。

つまり、繋がることそのものに目的があるのではなく、目的はあくまでつながりの外にある場合。お金儲けのため、出世のために人と関係を作っていこうとするもの。

②もう一つは、人と繋がる事そのものが目的である様な場合。
この人といると何となく楽しい、気が合う、ホッとするといった友達との関係、あるいは親子に代表される家族の関係派、損得や利害を超えた繋がりと言える。

この二つの繋がりは、現実の生活においては重なっている場合が多い。友達関係を良くする事で試験の時にポイントを教えて貰える、仕事上の付き合いだけれど、とても馬が合うのでいつの間にか親友の様に話が出来るとか。

けれど、人間関係の本質をきちんと考え直すには、この二種類の繋がりをいったん概念的に区別して考えた方がいい。

これ本当に大事やなと思うんですよね、ここがしっかり分かっているとムダに悩まなくていいんだと思います。

本来なら学校で教えておくべきなんじゃないかと思うのですが、色々な理由があって現実的にはまあ無理なんでしょうね。人間力のある先生なら、この本のコピーとか渡してホームルームとかで考えさせてみたら、生徒にはとてもいい学びになると思うんですけど。

「割り切った付き合いをしていたらいい種類の人」と、「心の交流をすべき人」の二種類をちゃんと識別する。
「今、使うべき人」と言うと何かえらく感じ悪い表現(笑)ですが、今、自分が必要とする人を自分で分かる様になっておく。仕事上なら何らかの知識や技術を持った人だったりするだろうし、何となく寂しいとか、何か楽しい事を一緒にしたい、とかなら心の交流が出来る人だろうし。

①の方はそこでの悩みもあるけれど、そこはある程度割り切る必要があるし、そうするしかないように思えます。勿論色々しんどい事はあるだろうけど、極端に言えば仕事辞めたらもう関係ない人やって割り切るしかないですよね。

②の方が実は本当は悩む人が多いのかなあ、という気がしています。本当に心を開いて話せる人が少ない、とか居ないとか。人から相談された時も、①の仕事上の人間関係に見えて実は中身は②に近い悩みって感じの事が多い気がするんですよね。職場で心から仲良く出来る人がいない、心を許せる上司や仲間がいない、っていう感じの。

人って多分、職場でもやっぱりそういう人を求めていて、そういった人がいないと精神的にきつくなってくるんだと思います。

仕事ってどうしても、効率を求めるものだから、「要らない人間は要らない」。でもそれがあまりにも強烈になってくると、潤滑油的な役割をしてくれる人が存在しなくなってしまう。

すると、結果として職場全体の覇気やコミュニケーションにも影響を及ぼして、かえって効率の悪い職場になってしまうっていう事も多々あるんじゃないかなと思います。自分の経験では、こういう職場って結構ありましたしね。雰囲気がギスギスしてきて、仲間内で脚の引っ張り合いし出したりするんですよね~、潤滑油の役割が出来る人がいないと。

そうすると、実はこれからAIの時代だとか、言われてるけど、この「潤滑油になれる人間」の存在って実はこれから絶対に必要な人材になるんじゃないかなって気がしています。人間はコンピューターにはなれない。効率オンリーのギスギスした職場では、多分精神がやられてしまう、そんな厄介な存在が人間なのであって、能力に全く自信がないのはあかんけど、少し自信がない位の人はこの「潤滑油人間」を目指すと、ポジションが獲得出来るんじゃないかなと思いますね。

少し違うけど、サッカーの長谷部選手は、潤滑油ではないけど、「常にチーム全体を見てバランスを取る存在を意識している」というのは語っていますよね。これが自分がチーム内で必要とされる存在でいられる理由だ、と。

スポーツや芸能界なんかだとこういう意識の高い人もそれなりにいるでしょうけど、普通の職場なんかだとこのポジションを目指す人って少ないから、かなり貴重な、レアな存在になれるんじゃないかなと思います。

「目指せ、潤滑油人間!」ですかね~(笑)

タイトルは昔、感動した映画「私は貝になりたい」からパクリました。
僕が見たのは、所ジョージさん主演のものなんですけど、この時の所さんの飾らない自然な演技がとても良くて印象に残っています。お笑いの時より、所さんは芝居の時の方が好きですね~、芝居臭くなくて、とても自然体な感じで。

投稿者プロフィール

岡本
岡本マーシャルアーツアカデミー代表・空手クラス担当
東京の大手フルコンタクト空手の道場で長年修行。
空手修行の一環としてボクシングやキックボクシングも学び、プロライセンス取得・試合も経験。
道場での指導の傍ら、ボクシングトレーナー、フィジカルトレーナーとしても活動しています。
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